今年2017年は3月20日は春分の日で祝日となっています。
日本では3月20日か21日が春分の日ですが、この差は太陽の軌道によって多少前後している為です。
ところで、春分の日ってどんな日? 何をやる日? なぜ祭日なの? 春分の日と関連が深いお彼岸って何をする日? って思ったことはありませんか?
とりわけ日本の祝日の中でも春分の日と秋分の日は、その意味と祝日の理由を知らない人は多いのではないでしょうか?
春分の日は昼と夜の長さが同じ
まず、春分の日というのは「昼と夜の長さがほぼ同じになる日」のことをいいます。
そして、半年後の秋にも昼と夜の長さが同じになる日がありますが、こちらは秋分の日ですね。同じく祝日となります。
秋分の日は毎年9月23日頃で、今年も9月23日です。
昼と夜の長さが同じということは、春分の日には太陽が真東から昇り、真西に沈みます。
よって、この日を境にしてだんだん昼の時間が長くなっていき、逆に秋分の日からは夜の時間帯が長くなっていくというわけです。
なぜ春分の日が祝日なのでしょうか?
春分の日は昭和23年に、「自然をたたえ生き物をいつくしむための休日」として制定されました。(1948年7月20日)
明治時代に制定された「春季皇霊祭」(1947年に廃止)という祭日に由来するもので、これが国民の祝日となったわけです。
春季皇霊祭とは、宮中の皇霊殿で天皇が歴代の天皇・皇后・皇親の霊を祭る儀式のことです。
すなわち、御先祖様を祭る特別な日であったわけです。
お彼岸とは?
では、この春分の日と関係が深い「お彼岸」とはどういうものなのでしょうか?
まず、お彼岸は、春分の日と秋分の日の各前後に年2回あります。
春は春分の日を挟んだ前後3日間、すなわち7日間をいうのです。
最初の日を「彼岸の入り」、最後の7日目を「彼岸の明け」と言います。
彼岸の意味は?
彼岸とは仏教用語で、煩悩を持つ者が修行して達することができる涅槃(ねはん)の境地のことをいいます。
要するに仏様の住む世界のことですね。
この世界が、極楽浄土は西にあるとされている西方浄土説の仏教信仰と結びついた言われています。
すなわち、太陽が真西に沈む春分・秋分の日を挟んだ7日間が仏様が極楽浄土へ行くことができる期間として考えられたのです。
よって、お彼岸にはお墓参りをしてご先祖様の供養をするというわけです。
お彼岸のお供えものは?
お彼岸にお供えするものとしてなくてはならないのが、「ぼたもち」と「おはぎ」です。
春のお彼岸には「ぼたもち」で秋には「おはぎ」ということになります。
この二つどう違うのでしょうか?
実はこの二つは全く同じものなのです。
両方とも作り方は、うるち米ともち米を混ぜて蒸します。そして軽くついて丸めて、あんこで包み込んだものです。
よって、現在では同じものとして売られていますが、昔はその呼び方どおり違いがありました。
ぼたもちは、漢字で牡丹餅と書くように、春に咲く牡丹(ぼたん)の花をモチーフにしていて大きくに丸く作られました。
一方、おはぎは、お萩と書くように、秋に咲く萩の花のように少し小さめで品のあるイメージで作られたのです。
しかし、今では「ぼたもち」というより「おはぎ」と呼んだ方が上品に聞こえるということもあり、春も秋も「おはぎ」として売られているケースがほとんどなのです。
また、そのお供えの由来は、もともと小豆は邪気を祓う神聖な食べ物とされたため、これで作った餅を供えることによって先祖を供養したことに始まります。
そして、春分の頃は農作業を始める時期であり、秋分の頃は収穫の時期のため、春には山の神様に無事に農作業ができるようにお願いしてぼたもちをお供えし、秋には収穫に感謝するためにおはぎをお供えしたという説もあります。
まとめ
お彼岸は御先祖様の霊を厚く供養する日です。
尚、よくお盆とお彼岸はどう違うの?って思うことがあるかもしれませんが、お盆は御先祖様を家にお迎えするもので、お彼岸は個先祖様に会いに行くものなのです。
春分の日や秋分の日にこだわることなく、お彼岸中の7日間ならばいつでもいいのでお墓参りにはぜひ出かけたいものですね。