食事をする時に気をつけることってありますよね。
もちろん、クチャクチャと音をたてたり、口の中にものを入れておしゃべりする、なんてことは問題外ですが、そういうことではなくてマナーとして気をつけなければいけないことですね。
“えっ、あなたそんなことも知らないの?” って周りから思われないように最低限のマナーは身につけておきたいものです。
特に、接待やかしこまった場所での会食では、そういったマナーの知識が非常に重要となりますし、同席している皆さんはすでにそういったものを心得ている、と思った方が無難です。
和食の形式はいろいろあります
今回は和食のマナー、それも全体的なことについて述べたいと思いますが、そもそも和食とはどういう形式のものがあるのでしょうか?
一口に和食といってもその形式は、本膳料理、懐石料理、会席料理、精進料理に大きく分かれます。
本膳料理とは、室町時代に確立され、脚付きの御膳に並べられた料理でよく時代劇のテレビとかで見ることがありますが、今ではあまり見ることはありません。
精進料理は、お寺のお坊さんがいただく料理として有名です。
動物性の食材は使わずに野菜や穀物や海藻などを料理したもので摂生した料理というイメージが強いですね。
さて、「懐石」と「会席」、この読み方が同じ料理はどう違うのでしょうか?
我々が普段使っている「かいせき料理」とはどちらのことを言うのでしょうか?
懐石料理と会席料理の違い
「懐石料理」とは、正式には茶懐石料理といって、茶の湯の席でお茶を出す前に食べる軽い食事(一汁三菜)のことをいいます。
一方、「会席料理」は、日本料理店で出されるコース料理や、結婚式や宴会で出される献立料理のことをいいます。
会席料理はお酒を飲むことを前提に出される料理となります。
よって、普段われわれが目にしたり、いただいているものは「会席料理」となるわけです。
これはやってはいけない!!
さて、その会席料理も含めて、まずは「これはやってはいけない!!」というものは何でしょうか?
1.おしぼりで口を拭いてしまう
これはよくやりますよね。
というか、おしぼりで口を拭くのは当たり前のことだと思っている人は多いと思います。
まずは、顔、クビから拭いて最後に手を拭いて、そのおしぼりで食事中に口を拭くという人も結構いるのではないでしょうか?(わたしもついついやってしまいます・悲)
ところがおしぼりは、あくまでも手を拭くもの。すなわち、「お手拭き」なのです。
よって、正式にはテーブルの上にこぼしてしまったものを拭くのもダメなんですね。
口元やテーブルの汚れを拭くときは、お店の紙ナプキンやティッシュを使うことになります。
2.手受け(手皿)をしてしまう
手受け(手皿)とは、箸でつまんだものを口に運ぶ時に、つまんだものや、つまんだものから汁が落ちるのを避けるために、手で受けるしぐさのことです。
これって女性がよくやるしぐさで、結構上品っぽく見えませんか?
実はこれもNGなんです。
これは、「わたしは箸をうまく使うことができません!」といっていることになるのです。
じゃあ、落ちたり、こぼれたりしないようにするにはどうしたらいいの?ってことですが、この場合は、最初からその料理を小鉢や小皿に取ってからいただかなければなりません。
3.受け吸いをしてしまう
受け吸いとは、食事の途中で受け取ったお皿を、いったん膳に置かずにそのまま箸をつけてしまうことです。
面倒と思うことがあるかもしれませんが、一度膳に置いてからいただかないとマナー違反になってしまうのです。
4.料理の真ん中から箸をつけてしまう
刺身の盛り合わせとか天ぷらの盛り合わせ料理の時は、端のものからいただくのが基本です。
刺身の盛り合わせで”俺は真ん中のアワビが一番好きだから”というので、いきなりど真ん中のものからいただくのはマナー違反となります。
5.返し箸(逆さ箸)を使ってしまう
料理をみんなに取り分ける時に、ついついやってしまうのが返し箸(逆さ箸)です。
返し箸(逆さ箸)とは、箸の上下を持ちかえて、自分の口をつけた方ではなくて、上の方の手に持っていた方で料理を取り分けてしまうことです。
これは、正しいエチケットのように思えますが、手を持っていた方で食べ物を扱うわけですから、衛生的にNGとなるのです。
よって、取り分ける時は、それ用の箸か割り箸をあらためてお店に依頼しましょう。
6.渡し箸をしてしまう
渡し箸とは、食事中や食事の後に箸を器の上に置いたままにしておくことです。
よく食べかけということでやる人もいますが、箸はその都度、箸置きの上に置くようにしないといけません。
7.割り箸の扱いに注意
和食のお店ではほとんどが割り箸を使いますが、割り箸は大きな音を立てて左右に割ったり、割った後にこすり合わせるのはマナー違反です。
水平に持って上下に静かに割るようにしましょう。
また、絶対ではないですが、食べ終わった後は箸先の汚れを隠すために、千代結びにした箸袋の中に箸先を入れておくか、箸袋に戻して袋の下3分の1程を折り返しておいた方がベターです。
8.食事中につま楊枝を使ってしまう
つま楊枝を使うのはいいのですが、まわりがまだ食べている時に使うのはNGです。
全員が食べ終わったてから使うようにしてください。
また、使う時は口元を手で覆うようにするのがエチケットです。
もちろん、シー ハー 言いながら使うのは論外です(笑)
まとめ
マナーといってもそんなに堅苦しく感じることはありません。
常識と最低限のことを覚えておけばいいのです。
そうすれば同席の人に迷惑を掛けたり、いやな思いをさせることはないですし、何と言っても自分自身が気にすることなく料理をいただけますよね。
和食に限らず、みんながそろってする食事は、会話を弾ませ「美味しい料理を楽しくいただく!!」
それが一番大事なのですから。