年末年始はお酒を飲む機会が一気に増えますよね。
飲んだらタクシーや電車で帰るというのは当たり前のことですが、中には「少しだからいいや!」とか「近くだからいいかな!」と思って、ついつい運転してしまう人が残念ながらどうしてもいるのです。
誰も分かっていることですが、飲酒運転は違法行為なのです。
絶対にしてはいけません。
誰も「自分は絶対に事故を起こさないから」って思うものですが、そういう人に限って事故を起こしてしまうのです。
「飲んだら乗るな、飲むなら乗るな」です!!
ひとえに「飲酒運転」と言ってしまいますが、実は、飲酒運転は法律上、酒酔い運転と酒気帯び運転の2つに分けられます。
この2つ、どう違うのでしょうか?
酒酔い運転の方が罰則が厳しい!
酒酔い運転とは
まず、酒酔い運転ですが、こちらは「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態」のものをいいます。
これだけなんです。
えっ、それってどう判断するの? 基準値はどうやって決めるの? って思いますよね?
そもそも、道路交通法の第65条第1項には「何人も酒気を帯びて車両等を運転してはならない」と明記してあります。
それに違反した場合の道路交通法第117条の2第1号には以下とあります。
では、この「正常な運転ができないおそれがある状態」を誰がどう判断するかと言いますと、その場で警察官が、直線の上を歩かせて真っすぐ歩けるかどうか、視覚・運動・感覚それぞれの機能が正常かどうか、顔色や言動から判断や認知能力の低下がないかどうか、というチェック事項で総合的に判断するのです。
よって、呼気アルコール濃度がどのくらいなのかは関係ないのです。
ろれつが回らず、まともに歩けない、何を言っているかわからない、といった場合は完全にアウトなわけです。
まっ、そんな状態で運転なんてとてもできるわけありませんが・・・。
■罰則と違反点数
この場合の罰則は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金。
違反点数は35点となります。
そして、問答無用の免許取り消しです。
この場合3年間は免許を取得することができなくなります。
酒気帯び運転とは
一方、酒気帯び運転とはどういう状態のものをいうのでしょうか?
道路交通法第117条の2の2第3号には以下とあります。
この中の“身体に政令で定める程度”というのが、以下の道路交通施行令第44条の3に書いてあるのです。
ドライバーはビニール袋に息を思いっきり吐いて、その中のアルコール濃度を調べられるのですが、酒気帯び運転とは、その時の呼気1ℓあたりのアルコール濃度が0.15mg以上の場合をいいます。
ちなみにこの0.15mgは、大まかな目安でいうと350mlの缶ビール1本を飲んだ場合に計測されます。(※その人の体質や体重によって変わります)
そして、こちらも大よそですが、この350mlアルコールが体から抜けるまでには約3~4時間はかかるのです。(※こちらもその人の体質や体重によって変わります)
■罰則と違反点数
酒気帯び運転の場合、罰則は3年以下の懲役又は50万円以下の罰金となりますが、違反点数はその呼気アルコール濃度によって変わります。
■呼気アルコール濃度が0.15mg/ℓ以上0.25mg/ℓ未満
⇒違反点数13点。過去3年以内に免許停止処分がない人は免許停止90日。それ以外の人は免許取消しとなります。
■呼気アルコール濃度が0.25mg/ℓ以上
⇒違反点数25点。すべての人が免許取り消しです。2年間は免許取得できません。
では、呼気アルコール濃度が0.15mg/ℓ以下の場合はどうなのでしょうか?
この場合は罰則も違反点数もないのです。
ただし、アルコールを飲んでいるということであれば、それ自体、道路交通法に違反していることになりますから絶対に運転はしてはいけません。
自転車であれば飲んでもかまわない?
自転車の酒酔い運転も完全に違法です!
車は当然ダメだから自転車で飲みに行こう!ってよく思いますよね。
実際、自転車で居酒屋などに来る人は結構多いと思います。
では、自転車での酒酔い運転の場合はどうなのでしょうか?
先ほどの道路交通法第117条の2第1号には「車両等を運転したもの」とあります。
この車両等とは、自動車、原動機付自転車、軽車両、トロリーバスのことを言います。
そして、この中の軽車両というのは自転車、リヤカー、馬車とかをいうのです。
よって、自転車も自動車と同様に扱われるということになります。
すなわち、自転車でも酒酔い運転の場合は、処罰や違反は適用されるということになるのです。
自転車でもダメです!!
酒気帯び運転は自転車は該当しないが、、
ただし、酒気帯びの場合は、自転車は該当しません。
道路交通法第117条の2の2第3号には以下のように、軽車両を除くと明記してあります。
しかし、道路交通法の第65条第1項に「何人も酒気を帯びて車両等を運転してはならない」とあるように、自転車であろうとお酒を飲んで運転することは絶対にダメなのです!!
まとめ
その場の状態や呼気アルコール濃度によって、飲酒運転は、酒飲み運転か酒気帯び運転に区分けされます。
また、自転車の場合もお酒を飲んで運転することはダメなのです。
大事なことは、一滴でもお酒を飲んだら、自動車であろうが自転車であろうが運転をしないということです。
飲みに行くのであれば、帰りは必ず、公共機関、タクシー、歩く、ですね!!