日本の通貨はおのずと知れた「円」です。
記号で書くと「¥」。
アルファベットの「Y」に二本線引いたマークですが、なぜ「Y」かというと「円」のローマ字表記が「YEN」であるからなんです。
しかし、ちょっと考えてみると「あれっ?」って思いませんか?
「円」ですから「EN」じゃないの?って。「YEN」なら「イエン」になるんじゃない?って。
YEN? EN?
そうですよね、ローマ字表記なら「EN」になるはずですよね。
実は、1885年(明治18年)の日本銀行のお札の発行以来、「円」のローマ字表記はすべて「YEN」となっています。
どうしてでしょうか?
いろいろ諸説があるそうです!
1.まずは、発音上の理由が考えられます。
「EN」は外国人が発音すると「エン」ではなく「イン」に近い音になるから、「エン」の発音に近づけるために「Y」をつけたという説です。
ENGLAND(イングランド)、ENJOY(インジョイ)などですね。
※ENJOYはエンジョイですが、発音記号をみるとインジョイに近いです。
でも、END(エンド)はエンド、ENGINE(エンジン)はエンジンと発音しますから「エン」なんですよね、、、???
ちなみに、幕末に日本を訪れた外国人の記録には「江戸」を「YEDO」と表現したものがあるそうなのです。
2.次に、各国における意味の違いを違いを避けるためという説です。
「EN」は、オランダ語、スペイン語、フランス語などでは別の意味を表す単語になるので、これを避けるために「YEN」したというのです。
すなわち、「EN」はオランダ語では「~と」、「そして」という意味ですし、スペイン語やフランス語では「~の中に」という意味を持ちます。
3.また、読み方のややこしさを避けるためというのもあります。
例えば、「1円」となると、「ONE EN」が「ワン エン」でなくて「オ二ーン」、「10円」の場合は「TEN EN」が「テン エン」ではなく「テネン」と続けて読まれるおそれからという説です。
4.中国の通貨である「人民元」との関係からという説もあります。
元の紙幣には通貨の単位である「圓」が「YUAN」と表示されていますが、これが「YEN」に転化したというものです。
この「圓」という字は「円」の旧字体ですが、この字が日本に入ってきた時は、ひらがなで「ゑん」と表記されました。この「ゑ」は「あ行」の「え」ではなく、「わ行」の「え」なのです。
「あ行」の「え」は「E」で、「わ行」の「ゑ」は「YE」と表記されたのです。
これが「YEN」の由来とも言われています。
余談ですが、「ゑ」のカタカナは「ヱ」です。某ビール会社の「ヱビスビール」は「エビス」ではなく「ヱビス」です。そして「YEBISU」と「Y」がついていますよね。
「¥」マークの二本線の意味は?
では、「¥」の二本線はなぜ入っているのでしょうか?
こちらもいろいろ諸説があるようです。
これは、単に「Y」と区別するためという説と、アメリカのドルを真似たという説です。
今ではドルは「$」のように一本線が多いようですが、昔でいうと二本線の表記の方が多いみたいです。
※ちなみに、パソコンの文字変換では二本線の方のドルが出てこないので表記できなくてすみません!!
また、その二本線のドルの由来もいろいろあり、アメリカ大陸を発見したスペインの頭文字「S」に、スペインの国旗にも描かれている「ヘラクレスの柱」を表す二本線を入れたという説や、「United States」の「U」と「S」を合わせたという説もあり、どうやらこちらの方もはっきりしないようです。
最後に・・・
今回は諸説がたくさんあり、その由来がはっきりしませんでしたが、個人的には、”元の「圓」の「YUAN」が「YEN」に転化したというのが信憑性がありそうな気がしました。
あなたはどれが本当と思われたでしょうか?