「今年は優勝目指して頑張ります! 」
「オリンピックには必ず出場します!」
常に勝つことが宿命づけられたプロ野球、サッカーJリーグ、オリンピックのバレーボール等の監督が必ず口にする言葉であります。
しかし、思ったように作戦がうまくいかず、選手が期待通りに働いてくれずに負けたら責任はすべて監督が負わなければなりません。
ましてや、負けが続きチームが最下位となれば、成績不振で監督交代というのは避けて通ることはできません。
それだけ人気スポーツの監督というのは大変であり、重大な責任があるわけです。
成績低迷で監督休養ということは珍しいことではありませんが、この「休養」って、何?って思ったことはありませんか?
休養ということは、”一時的とか”、”また戻ってくる”という意味合いがありますから、チームの調子が戻ってきたら、また監督復活するの?と、ふと思ったことありませんか?
しかし、基本的にはその時点で事実上の解任、すなわち、クビということになりますから戻ってくることはまずありません。
では、なぜ休養という言葉を使うのでしょうか? はっきりと、解雇とか解任という言葉を使ってくれた方が分かりやすいのにと思いませんか?
一言でいえば、最後の配慮
プロ野球やJリーグともなると負けが続いて勝てなくなれば、ファンやフロント、チーム関係者、スポンサーからの風当たりは日増しに強くなります。
すると、そのチームのオーナーや球団社長は当然、現場責任者である監督の指揮が悪いからと考え、すぐに代えなくてはと思うわけですが、その時に「お前はダメ監督だからクビだ!」とか「こんなことになったのはすべてお前のせいだ!」と面前で言うことはありません。
心の中では怒り心頭で、恨みごとの一つでも言いたくなるかもしれませんが、自分が最終的に就任の承認もしたわけですから、「監督、少し疲れているようですから休んで下さい」と遠回しに言うわけです。
監督になる人は、少なくとも選手としての経歴や実績があり、その世界での知名度や貢献度があるわけですから、その人のプライドを傷つけない様に休養という言い方をするのです。
おまけに、それがシーズン途中であればなおさらです。解雇という言い方はやはり体裁がよくありませんからね。
もちろん、言われた監督は、その時点ですべて分かっていますから「わかりました」と答えるしかないわけです。
オーナー側にしてみれば、最終通告であれ、そこに気配りや配慮があるわけです。
まさにそこは日本的なところかもしれません。
メジャーリーグや欧州のサッカーでは、休養というような曖昧な言い方はしませんからね。
はっきりと「解任」です。
最後に・・・
私、管理人ごとでありますが、この記事を書いたのには理由があります。
今年は、大ファンでもある中日ドラゴンズの谷繁監督と名古屋グランパスの小倉監督がシーズン途中で休養そして解任ということになりました。
成績不振ということでは当然かもしれませんが、シーズン始まりにおける意気込みと優勝への期待が強かっただけに複雑な気持ちです。
また、ドラゴンズは最下位、グランパスはJ2降格という屈辱の結果に終わってしまいました。
特にグランパスはJリーグ創設以来、初の降格です。
すべて監督の責任というわけではないと思いますが、勝てない限りその責任はまず監督が最初に取るということになってしまいますからね。
来年は、もう休養という言葉は見たくありません。
復活あるのみ!!
頑張れドラゴンズ! グランパス!