春は歓迎会や送別会の季節でもあります。
学校の卒業、会社の転勤や退職、入学や入社などで行われる歓送迎会での挨拶はバッチリと決めたいものです。
何日も前から考えに考えた挨拶が、しらけたり、すべったりでもしたらガックリです。
ましてや、周りが酔っぱらってしまって、“誰も聞いてない状態”にでもなれば恥ずかしくてやめたい気持ちになってしまいますよね。
そんな状況にならない為に、またそんな状況にさせない為には、“思わず聞きいってしまう挨拶”、“聞かせる挨拶”が必要なのです。
周りが思わず、おっ!と思い、感動し、心から拍手をしてくれる話術が必要なのです。
本筋と前振りの使い方がポイント!!
そんな感動させる挨拶やスピーチをする極意は本筋と前振りの使い方です。
本筋とは、自分が言いたいことおよび結論のことで話の主体です。
一方の前振りとは、本筋を際立たせる話のことで本筋と相反する内容であるほどインパクトがあります。
この前振りの使い方とタイミングがとても大事なのです。
普段から挨拶やスピーチに慣れていない人は、本筋しか言わないために話にメリハリがなくなってしまい、場によってはつまらない話にもなりかねません。
すなわち、”すごい!”と思わせたり、”笑い”を取れる話ができないんですね。
歓送迎会の挨拶でなくても、話の上手い人って普段の会話でジョークを交えたり、笑いをとるコツを知っていますよね。
周りをなごませる会話ができるのです。
では、各々のケース別での挨拶ではどうなのでしょうか。
去って行く人の挨拶(送別会)
卒業や異動・退職などで去って行く人がする挨拶としては、どのように本筋と前振りを使えばいいのでしょうか?
もう最後だからといって「俺がいた○年間はこんなに売り上げを伸ばしてきました!」とか「わたしは何十社と新規の取引先を増やしてきました!」というような手柄話や自慢話は厳禁です。
誰もそんな話は聞きたくないのです。
まず、前振りには、失敗談、情けなかったこと、泣きそうになったことなどを盛り込みます。
新人の頃は、誰にでも失敗談はありますよね。それを「今だから言えますが、こんなことがあって上司を青ざめさせました~」とか「売上が上がらず○○先輩にいつも慰めてもらっていました~」という話をするのです。「仕事がつらくてトイレで泣いていたことが何度もありました」という話でもかまいません。
そうすると笑いをとれたり意外性を感じてくれたりします。
そしてその後は、それを盾にした成長談や成功談を本筋としてアピールするのです。
「そのおかげで一人前になれました!!」とか「今の自分があるのは○○先輩のおかげです!!」というように。
大事なことはお世話になった人への感謝を気持ちを表すことなのです。
情けない話や失敗談 → 成長や成功 → 周りの人々への感謝
こんな順序で挨拶してみてはいかがでしょうか?
新たに来る人の挨拶(歓迎会)
歓迎会でのパターンは大きく2つに分かれます。
新入生や新入社員というパターンと転勤や異動というパターンです。
新入生や新入社員の場合は、本筋や前振りなどは意識しない方がいいですね。
とにかくおもしろいことやインパクトのあることを言うことです。
「おっ、こいつおもしろいやつだなあ!」、「骨がありそだなあ!」って思われることが大事なのです。
若者が酒の席で真面目な話をしても誰もおもしろくも楽しくもありませんからね。
逆にしらけてしまい「どうするのこの空気?」ってことになりかねません。
特に新入社員の場合は、学生時代に人と違う経験をしたことを話すとインパクトありですよね。ヒッチハイクとか1人旅とか。
一方、転勤や異動の場合は、本筋と前振りをうまく使い分けて話す必要があります。
新たな職場で心機一転、自分を売り込みたいと思って大きなことを言ってしまうとしらけてしまいます。
ましてや、初めて顔を合わす人々の前で今までの成功談を話しても、そんなことは誰も興味ありません。「偉そうな奴だなあ!」と逆に反感を買うだけです。
本筋は、「新たな気持ちで一生懸命頑張ります!!」とか「早く戦力になれるように最善を尽くします!!」というようなことでOKです。
そして前振りは、前述の去っていく人と同じで、前の部署での失敗談や情けない話を織り交ぜるのがいいですね。
そして最後に、共感を感じさせる言葉を忘れないでください。
「みなさんと一緒に仕事ができることをうれしく思います!」とか「早くみなさんの仲間になれるように努力します!!」という具合に。
送り出す側の挨拶(送別会)
主役ではなく、主役への花向けの言葉を送る場合の挨拶はどうでしょうか?
上司や先輩からのスピーチが多いと思いますが、一番大事なことは、気持ちよく送り出してあげること、それも感謝やお疲れ様の気持ちを込めてです。
間違っても、過去の失敗を取り上げて「これからは同じ失敗をしないように!」なんてことは言ってはいけません。
ましてや説教なんてのは論外ですよね。
褒めることが大切です。
ただ、褒めるだけではなくこちらも本筋と前振りの使い方が重要です。
例えば、前振りとしては、「彼は毎日のように飲み歩いていますし、チャラチャラしていい加減のように見えますが」のようにして、本筋としては「いつも後輩に頼りにされていたのが彼でした。それは、自分の時間を犠牲にしてまで後輩の面倒をよくみていたのをみんな知っているからです」のように持ってくるといいでしょう。
よいエピソードを盛り込むことがポイントですね。
まとめ
歓送迎会という和やかな雰囲気の場では、まず、しらけるような挨拶は完全にNGです。
次に、メリハリのない一本調子の話もつまらないのです。
まじめな話の中に、いかに、”感動する”、”おもしろい”、”思わず笑ってしまう”、そんな話術を心得たいですね。
そのような挨拶はいつまでも記憶に残りますし、スピーチが上手い人だと思われます。
わたしも本筋と前振りの使い分けに磨きをかけていきたいと思います!!